248件255人。
いきなりだが、この数字なんだか分かる?
この数字の正体、それは今年の1月から6月までの児童虐待の件数だ。
実はこの数字、去年と比べて56.4%増しで過去最多だそうだ。
これが何を意味するか?
2012年は、近代歴史上もっとも児童虐待が行なわれている、ってことだ。
今日は前回のいじめの記事に引き続き、虐待について話したいと思う。
いじめも虐待も大きな社会問題だが、虐待といじめは全く違う。
いじめはいろんなところに責任が存在する。
いじめっ子や、いじめっ子の親、教師、学校、クラスメイト、
場合によっては、いじめられっ子やその親にも責任があるだろう。
だが、虐待は一方的だ。
責任は虐待をする親に全てある。全面的に親が悪いわけ。
なぜなら、虐待するのはいつでも大人だし、虐待されるのはいつだって子ども。
大人の半分も智慧も力もないような子どもを、一方的に殴ったり、蹴ったり。
子どもに一体何の罪があるんだ?
子どもに一体どんな責任があるんだ?
虐待は、する側に全面的な責任がある。
それが、いじめと大きく違うところ。
むしろ、いじめよりもっと陰湿で、凄惨で、暴力的かもしれない。
虐待は、絶対にあってはならない問題の一つだ。
虐待がどんだけ惨いものなのか?子どもの人生にどんな影響を与えるのか?どれだけ苦しいものなのか?
それがちゃんと分かっていたら、誰も虐待なんてできないはずだ。
俺は小さい頃、親父に虐待され続けてきたから、それがよく分かる。
悲しみや喜びを表現できなくなる。心から笑えなくなる。
人に頼み事をできない。心から人を信頼できない。
挙げ句の果てには、人を愛することすらできなくなる。
愛着障害、感情障害、精神障害。
俺も今でこそ大丈夫になってきたが、昔は心から笑えなかった。
いつも、みんなが笑うところは、無理に笑った。
涙が流せなかった。
何も感じない自分は、なんて心がないんだろう、と泣けない自分を責めた。
人と信頼関係を結ぶことが一切できなかった。
どうすれば信頼できるのか?されるのか?全く分からなかった。
だから俺の表現の場は全部ノートの中。
外に表現できない苦しみを、ひたすら全部ノートの中に書いた。
まあ、文章じゃ伝わらないよな。この痛みや苦しみは。
虐待は悪だ。
責任は全てする側だ。
俺は虐待を受けた経験者だから、される人の気持ちも痛みがよく分かる。
だから考えた。
どうすれば虐待を減らせるのか?なくせるのか?
まず、虐待してる人が自分のやってることをどう思っているのか?それに気付くことが大切だ。
一部は虐待と分かってながら、虐待をしてる心の病を抱えた人もいる。
自分が幼い頃、虐待をされてきた傷が癒えておらず、虐待しか子ども叱る方法が分からない人もいる。
でもほとんどは、しつけの一環、言う事を聞かないから、という認識を持っている場合が多い。
ほとんどの場合、自分が虐待をしていることに気付いていないんだ。
だからまず、虐待してる人間が自分がやっていることは虐待かも、と気付かないといけない。
もっと言えば、虐待をしてしまう親には、原因や虐待をする理由がある。
そこに気付かなければならない。
思い出してみれば、俺の親父も虐待する理由を持っていた。
その理由は何だったんだろう?とふと考えると、
きっと、母との関係がうまくいってなかったんだろう、と思い当たる。
母を力で従えようとした。コントロールしようとした。
でも、うまくいかなかった。
だから、ありあまったエネルギーは暴力や精力となり、その矛先が俺に向いたんだろう。
だが、どんな理由があったとしても虐待は最低の行為。
確かに虐待をする側にはその理由や原因があるかもしれない。
でもされる側はどうなんだろうな?
されなきゃいけない理由や原因ってあるのか?
このブログを読んで下さっている人の中には、もしかすると虐待経験者もいるかもしれない。
この痛みが文章越しに、手に取るように分かる人もいるかもしれない。
でも、多くは虐待を経験したこともなく、何も知らない人達だと思う。
だからこそ、問いかけよう。
みんな、少し考えてみてほしい。
虐待ってなんだろう?どんなことが虐待だろう?それはどんな痛みなんだろう?
タバコの火をか細い腕に押当てること?大人の太い腕で子どもの脳みそがぶっ飛ぶくらい叩くこと?
足でサッカーボールのように頭を蹴ること?食事を食べさせない、水を与えないこと?
頭に紙袋をかぶせて暗闇に閉じ込めること?
もし、自分がそんなことされたらどう思う?
一体、どんな風に感じる?
想像するのはいやかもしれないけど、想像してほしい。
子ども達の痛みを。
逃げないで、直視してほしい。
俺たち大人は、苦しいことや辛いことがあったら、仕事や、人間関係や、住まいを変えることができる。
でも子どもは、どんな過酷な環境にあっても虐待から逃れることはできない。
そんな逃げ場のない痛みを、苦しみを、考えてみてよ。
虐待をしてる人が、自分がしてることは虐待だと気付くことと同じくらいに大切なこと、
それは俺たち大人が、虐待の実態や子ども達の痛み、虐待が子どもの人生に与える影響を、正しく知ることだ。
2012年上半期。半年で255人もの虐待された子ども達がいる。それも判明しているものだけ。
いじめや自殺に比べたら、その数は小さく見えるけど、
でも、その数字ですら、1日1人以上もの子どもが虐待されているんだぜ?
今、この瞬間も虐待されている子どもが、どこかで助けを求めているんだよ。
それは、アナタの家の近くにあるかもしれないんだ。
俺は、虐待された1人の人間として、
虐待をなくしたい、いや、なくす。
そう思ってる。
いつも考える俺の課題は、どうすれば虐待をなくすことができるのか?
虐待された子ども達に、どうすれば希望や夢を与えられるか?
そういう風に思ってる。
もちろん虐待なんてないに越したことはない。
虐待されたことがない、というのが一番いい。
でも、もう虐待されてしまった人がたくさんいるんだ。
虐待された先輩として言いたいのは、
たとえもし、虐待された経験を持っているとしても、その経験を乗り越えなきゃいけない。
とても酷なことを言うようだけど、それは乗り越えなきゃいけない。
親を殺したい、憎む、という気持ちはよーーく分かる。
全部親のせいだ、なんて言いたい気持ちも痛い程共感できる。
でも俺たちの世界の原則は、過去は変えられない、ってことだ。
だから、その経験を受け入れて、活かしていく強さを持たなければいけないよ。
別にポジティブなことを言う訳じゃないが、虐待を通して得たものだってないわけじゃない。
虐待は嫌な思い出で、最悪な過去だけど、得たものもたくさんある。
逆境を乗り越える強さや、人の痛みが分かる優しさ、社会を変えようと思う志。
だから、大きな傷を持った者にしかできないことや、伝えられないことが必ずあるはずだよ。
そう、凄惨な戦争を経験した人しか伝えられないことがあるようにな。
そして、今虐待をしている未熟な親へ。
子どもが虐待を受けることで将来どれだけの傷を負うのか、生きづらさを抱えるのか、人生がどんだけ狂うのか、アナタ達にはそれを知ってもらわなきゃいけない。
なぜなら、人は自己評価でしか変わることができないから。
人は、他人に何を言われても、自己評価がなければ決して変わらない。
きっと、そういう親だって自分なりの苦しみを抱えているんだろう。
その苦しみだってよく分かるよ。
でもその苦しみ以上に、愛すべき子どもが負う傷跡は、その小さな体にはあまりにも大きすぎるんだ。
だから、自分の意志で虐待をやめてほしい。
自分の血を分けた、愛おしい子どもなんだからさ。
俺たちは戦争を経験したことがないが、戦争がいかに悲惨で繰り返しちゃいけないことかを知っている。
なぜなら、映画やテレビや教科書や、様々なメディアで戦争の悲惨さを知っているから。
なら虐待も一緒。
俺たちは虐待の悲惨さを知らなきゃいけない。
一人一人が真っすぐに向き合って意識していけば、必ず虐待は減るから。
実は今、自分の人生を映画化にしようと動いている。
この映画の目的の1つは、虐待をなくすこと。
虐待を受けた子どもが、どれだけ生きづらさをかかえるのか、それを知ってほしい。
2つ目は、虐待を受けた子どもに夢や希望や見通しを与えること。
過去にどんな痛みを背負ってたとしても、人は必ず変われるんだと感じてほしい。
最後の目的は、家族の絆、人と人とのつながりの素晴らしさを伝えること。
どれだけ見えなくたって、関係が疎遠でも最悪でも、家族には絆やつながりがあって、それが愛を甦らせる、ということを気付いてほしい。
そして、この映画は学校や少年院と言った公共の場、教育の場で使い、
少しでも社会の悲しみを減らし、喜びを増やしたいと思ってる。
今日は、虐待についてお話させて頂きました。
たくさんの社会問題があり、たくさんの苦しみがあるこの社会だからこそ、
一人一人が手を取り合って解決に向かっていくことが大切だと思います。
人を救うのは、どんな時であっても、誰かを救いたい、社会を良くしたい、という想いで、
その想いが始まるのは、俺たち一人一人の心の中からです。
だから、想いがある人は叫ばなきゃいけない。
アナタにしかできないことや、救えない人が、この社会にはたくさんいるんだから。
俺も、まだまだ小さな影響力しか持たない身で、もっと大きく人に貢献できないことに悔しさを感じることも多々あるけど、
俺は絶対にあきらめないし、いつまでも想いを叫び続けます。
この虐待についての想いだって形にしてみればブログの記事1つだけで、どこまで届くかなんて分からないが、
それでも全力で声を挙げるのが、想いを宿す人間の使命だと思ってる。
そうすれば想いに共感した仲間や同志が、力を貸してくれたり、助けてくれたりするってことを信じてるから。
もし、今回の記事がアナタの心に届いたなら、周囲の人にシェアして頂けましたら幸いです。
いつもこのブログを読んで下さる皆様、
コメントやメッセージで応援して下さる皆様、
本当にありがとうございます。
何卒、これからもよろしくお願い致します。
心から、愛と感謝を込めて…
加藤 秀視
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